NASサーバとは、単体でネットワークに直接接続し、コンピューターやスマートフォンなどと連携して使用する外部記憶装置(ストレージ)のことを指します。
正式には、ネットワークアタッチストレージ(Network Attached Storage)といいます。アタッチは「取り付ける」「接続する」といった意味なので、まさにネット―ワークにつながっているストレージという意味です。
今回の記事では、NASの概要やメリット、ファイルサーバとの比較について解説します。
1、NASとは
NAS(ネットワークアタッチストレージ)の概要について解説します。
NASの概要
NASは、ネットワークに接続して使用する外部記憶装置(ストレージ)のことをいいます。
実際に使用している方以外にとってはイメージしづらいかもしれませんが、ファイルの保存や共有を行うために使用される機器です。ネットワークにつながっているので、リムーバルディスクなどの記憶媒体を使用してたり、その都度ケーブルで配線を使用したりせずに、PCやモバイル機器のデータをそのままNASに保存することができます。
また、NASに保存されたデータは、社内の他のネットワーク機器から接続して、使用することもできます。こうして、データの保存や共有を容易に行えるようにするものがNASサーバです。
ファイルサーバとは
ファイルサーバは、ネットワークに接続されている保存する場所、と定義されます。
NASもファイルサーバの一種ともいえますが、一般的にファイルサーバといえばネットワークのデータ共有保存先となっているPCを指すことが多いです。
他に、クラウド型のファイルサーバもあります。具体的にはGoogleドライブやGMOのファイル執事などです。
NASサーバのメリット
NASサーバには以下のメリットが挙げられます。
- データの保存・共有がしやすい
- 省エネになる
- データ共有範囲を細かく指定できる
- モバイル端末からアクセスできる
ネットワーク上に接続されているので、特殊な操作をすることなく容易にデータを保管、共有することができます。
PCを使用したファイルサーバの場合、データ共有先として使用するには常に電源をONにしておかなければならず、エコではありません。NASサーバは消費電力が小さいので、PCを使用するよりもずっと省エネです。
NASサーバではデータ共有範囲を細かく指定できます。パスワード設定などで管理するよりも容易で手軽です。
スマートフォンやタブレットのデータを保存したり、保存したデータをそれらの端末で閲覧したりする際にも使用できます。
2、NASサーバとファイルサーバ(PC)の比較
NASサーバをファイルサーバ(PC)と比較することで、メリット・デメリットについてさらに深く掘り下げたいと思います。
ファイルサーバとは、データの保存場所というのが本来の意味ですが、ここではファイルサーバとして使用しているPCについて案内しています
ファイルの編集の可否
NASサーバは、データの保存・共有に特化したサービスであるため、最低限のOSしか導入されていない機種が大半です。ファイル編集の必要性が生じた場合であっても、情報の変更ができないケースが珍しくありません。
これは、メリットでもデメリットでもあります。容易に編集ができないことで、データを安全に管理できるからです。しかし、データの編集はできないので、PCにいったん取り出してから改めて保存をし直す必要があります。
一方、ファイルサーバの場合はPC機器なので、基本的には大半の操作が可能になります。
価格
NASサーバの大きなメリットの一つは、価格が安いことです。
機種によりますので一概にはいえませんが、NASサーバはデータの保存・共有に特化しているため、同程度の容量を持つPCを購入するより安く購入できる可能性が高いでしょう。
NASは用途や容量に応じて機種を選べる
NASサーバはデータの保存や共有に特化した機器ではありますが、さまざまな製品が発売されています。大容量のデータを保存する場合や複数の人数が同時にアクセスし情報を使用することが想定される場合には、処理速度が速く、データ容量の大きな機種が望ましいでしょう。反対に、最低限の機能でも間に合う場合には、廉価機種でも十分です。
PCをファイルサーバとして使用する場合には、きめ細かな使い分けは困難です。
3、まとめ
今回の記事では、NAS(ネットワークアタッチストレージ)の機能やメリット、ファイルサーバとの比較について紹介しています。
NASは、ファイルデータの保存や共有に特化したネットワーク機器です。LANケーブルや無線LANで社内のネットワークに接続して、使用します。社内の複数台のPCからアクセスが可能なだけではなく、スマートフォンやタブレット端末などからもアクセスすることが可能です。
データの保存・共有に特化しているので、データ容量や使用量、処理速度などに応じて機種を選べば、コスパよく業務効率を改善させられます。中小企業でも人気のサービスです。